「劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!」を観てきた。
尚、ネタバレ注意です。
観に行くのが遅かったせいか、上映スケジュールを見ると朝一の時間帯が削られててびっくり。
遅くなるとこういう事もあるんだなぁと思いつつ、昼前の時間を選択しました。
客入りに関しては、多くも無し少なくも無しな感じですね。
ただ、今回は自分の座っている列に誰もいなかったので安心して観れましたが。
パンフレットは普通に手に入りましたが、毎回付いてきていたカード類は無しでしたね。
そこがちょっと寂しかったり。
で、肝心の映画ですが…
まず、トッキュウジャーは非常に良く出来ていました。
30分の中にたっぷりと詰め込まれたスペシャルな展開は、観ていてワクワクさせられます。
宇宙でシャドーラインの攻撃を受け、地球に落下して来たギャラクシーラインの烈車。
25年に一度、地球に到達するその烈車の名は「サファリレッシャー」
ですが、シャドーラインの攻撃で先頭車両以外が全て何処かへ吹き飛ばされてしまっていました。
そのせいで、イマジネーションエネルギーが全く足りずに飛び立てません。
動物を模したその烈車の車掌であるレディは、イマジネーションエネルギー不足で飛び立てない烈車を見て「地球人のイマジネーションが足りないせい」と非難めいた事を口にします。
しかし、ライトやその仲間達はそれをやんわりと否定。
確かにみんなやれゲームだ、スマホだと言って下を向いている時もあります。
ですが、だからと言ってイマジネーションを忘れた訳ではありません。
ライトがサファリレッシャーを宇宙に帰す為に描いた絵に子供達が反応した時、確かにイマジネーションエネルギーが発せられました。
それを見たレディは、少しづつ態度が軟化して行きます。
ライトが立てた計画、それはビルとタワーにレールをかけて宇宙へ飛び出そうと言うモノ。
レディは「そんな事出来る訳がない」と否定しますが、ライトはいつもの如く自信満々。
そう、ライトにはサファリレッシャーが宇宙に帰るイマジネーションが見えているのです。
しかし、その邪魔をする為に宇宙から来たシャドーラインの追手が出現。
それは狩人を自称するナイル伯爵と、部下のハウンドシャドー。
まんまハンティングが趣味の英国貴族と猟犬ですね。
幹部級の力を持つナイル伯爵は、正確無比な狙撃でトッキュウジャーを苦しめます。
助太刀に現れたトッキュウ6号こと明を加えた仲間達が防いでいる中、ライトの計画が発動しました。
確かにレールは空に届きませんでしたが、そこへ車掌がファイヤーレッシャーで放水を開始。
すると、晴れた空に見事な虹がかかりました。
人々がそれに気付き、空を見上げた事でイマジネーションエネルギーが発生。
加えて、空を見上げた子供達が空へ向かうサファリレッシャーを見て歓声をあげます。
すると、みるみるうちにレールが伸びて宇宙への路線が完成。
ライトの計画は、見事にイマジネーションを呼び起こし成功したのでした。
宇宙へ帰るサファリレッシャーを見送ったトッキュウジャーは、引き続きナイル伯爵達と交戦します。
レディからの贈り物であるサファリレッシャーを模したアイテムを手に、トッキュウジャーは逆襲に転じました。
そのアイテムを使用する事で、トッキュウジャーにサファリレッシャーの力が宿るのです。
1号にはライオンのパワーが。
2号にはイーグルの力が。
3号にはワイルドキャットの力が。
4号にはアリゲーターの力が。
そして5号には何故かパンダの力が。
しかも強力無比ななりきりパワーのせいで、5号だけ首から上以外全部パンダになっています。
完璧に出オチ状態ですが、これがまた強いから困る。
溢れるアニマルパワーで反撃するトッキュウジャーの前に、流石のナイル伯爵達も劣勢に追い込まれます。
トドメのレンケツバズーカもスペシャルバージョンで、アニマルモードの全員が敵をフルボッコにしていくモノでした。
パンダにまでボコボコにされ、ヘロヘロになったナイル伯爵。
最後の手段とばかりに、何とハウンドシャドーと合体し巨大化。
トッキュウジャーも超トッキュウオーとビルドダイオーで応戦。
しかし、流石に幹部級の力を持ち、ゼットにすら逆らってみせるナイル伯爵は強敵。
たちまちトッキュウジャーは劣勢に追い込まれます。
そこへ、何とサファリレッシャーが戻って来ました。
ライト達は戻って来た事に驚きますが、レディは宇宙で全てのサファリレッシャーを集めて完全な姿にした上で戻って来たのです。
今こそナイル伯爵に思い知らせる時。
ライトはサファリレッシャーに移り、レディと共にサファリレッシャーをサファリガオーに変形させます。
トッキュウオーの方は、復旧不能のビルドダイオーを置いて来た6号が操縦に加わりました。
相変わらず「死に場所」云々の発言をかまして、総ツッコミを受ける6号はもうお馴染みですな。
巨大なライオンを模したサファリガオーのパワーは凄まじく、ナイル伯爵を翻弄します。
それにフミキリケンを構えたトッキュウオーが騎乗し、追い打ちとばかりにフルボッコ。
「見えた!お前の終着駅!!」
最後はイマジネーションエネルギーを込めた、人型に変形したサファリガオーとトッキュウオーのダブルキックで遂にナイル伯爵は滅び去ったのです。
こうして、宇宙から来た強敵との戦いは終わりました。
改めて、トッキュウジャーの面々にお礼を言うレディ。
その右手には、車掌と同じ様にパス子と名付けられたパペット(?)が。
何故かコック帽を被っていますが、これはレディの中の人の経歴が元ネタになっている模様。
どうやら、人形(?)はレインボーラインの車掌の標準装備の様です。
25年後の再会を約束して、再び宇宙に戻って行くサファリレッシャー。
それを見送ったライト達は、再び故郷の街を探す烈車の旅に戻るのでした。
以上、駆け足でストーリーを追いかけてみましたが、ホントエンターテイメントに徹した良い作品となっています。
特に、宇宙に帰りたいレディに、同じく故郷に戻る為に旅をしているライト達が同調するシーンは良く出来ているなと思いました。
その事をレディに伝える車掌のシーンも、非常に自然に挿入されていて好印象。
後、冒頭でケーキに顔を突っ込む羽目になったトカッチ乙。
(`・ω・´)
この映画の時点で完全に満足してしまったのですが、まだ仮面ライダー鎧武が残っています。
レッシャー内の次の駅の案内でも仮面ライダー鎧武と出ていましたので、気分を切り替えて観る事にしましょう。
で、肝心の鎧武なんですが…
正直、「サッカーはいらない」としか言い様が無い出来でした。
何故サッカーを混ぜたのかと問い質したくなる位、サッカー自体が浮いています。
恐らくワールドカップで盛り上がってるだろうと安易な考えでコラボしたのでしょうが、結果はお察し下さい状態。
全然盛り上がらなかったせいで完全に風化したネタを、この時期にやっちゃう事で見事な不協和音が作品内で大暴れしていました。
ダンスでさえ賛否両論だったのに、次はサッカーと迷走しまくりの鎧武。
これはサッカーが苦手な戒斗の中の人は怒っていいと思います。
せめてこれが原点回帰のダンスだったならば、ここまで違和感を覚えずに済んだのではないかと。
話の流れとしては、オバロのラピスが紘汰の話を元にサッカーが大流行の平和な夢の世界を創造。
それを、ラピスが封印したはずの人口知恵の実ことコウガネが利用し、復活する為に介入。
たちまち世界は争いだらけになってしまい、その怒りと憎しみのエネルギーを受けてコウガネが完全復活。
エネルギーを吸われたアーマードライダー達は、光実と紘汰を残して全滅。
コウガネが変身した仮面ライダーマルスによって、紘汰も悪の種を埋め込まれて闇堕ち。
ここぞとばかりに久しぶりの龍玄をフルボッコにし、燿子に助けられていた戒斗もマルスに歯が立たず絶体絶命。
しかし、ツンデレ娘の説得により、争いだらけになった世界に落胆していたラピスが希望を取り戻し、紘汰の心に干渉。
結果、闇堕ちから復活した鎧武がマルスに大ダメージを与えた事で、アーマードライダー達が復活。
※ただしデュークとシグルド除く。
ラピスもサガラから貰った銀のリンゴロックシードで仮面ライダー冠に変身。
全ライダーが力を合わせて、冠が変身したボールを鎧武にパス。
最後は極アームズがコウガネにボールを蹴り込んで、ゴールごとコウガネを粉砕。
戦いは終わり、紘汰は元の世界に戻って終了。
大体こんな感じでした。
流れだけ見ればなんてことはないのですが、とにかく要所要所に挿入されるサッカー要素が全てを台無しにしています。
特に倒されたマルスが復活した時、何故かオーラでサッカーゴールとサッカー選手を創りあげた時は本気で唖然としました。
不自然ここに極まれりです。
おまけに仮面ライダー冠も、変身した直後に蒼いボールに変わってしまい出番殆ど無し。
これは流石に酷すぎるのでは?
まさか戦闘シーンの1つも無いとは思いませんでした。
トドメとばかりに、オーラで出来たサッカー選手とアーマードライダー達が真面目にサッカーやりだすに至ってはもう意味分かりません。
普通にボコった上で、全員でキックしてマルス倒せばいいだけじゃないですか。
それまでは普通に馬にまたがって、極アームズ対マルスの激しい戦闘が行われていたのにですよ。
この戦いは非常に迫力があって、見応え充分でした。
なのに、最後が取って付けたようなサッカーだったのは、本気でがっかりです。
大体、何で夢世界に取り込まれたのが紘汰と光実だけなんですか。
これがマジで分かりません。
他の連中は違和感を覚える事無くサッカーしていたので、この2人だけだと思われ。
戒斗は爽やかなスポーツマンでしたし、燿子も黙々とリフティングしてたりと明らかに別人でした。
鎧武・闇と龍玄の戦闘は、2人の関係を考えると全く違和感無かったですが。
紘汰は闇堕ちしてますし、光実は公然と打倒紘汰が果たせる訳で。
まあ、何故かゲネシスドライバーもメロンエナジーロックシードも持っていなかったせいで、殺される寸前まで追い詰められてしまいますが。
この辺も妙ですよね。
消えた仲間達のロックシードを拾って、一つ一つ使いながら鎧武がマルスと戦うシーンは良かったと思います。
ACでしか見れないと思っていた、鎧武ドリアンアームズとかドングリアームズと言う非常にレアな姿が見れましたし。
ただ、ここで貴虎のメロンエナジーロックシードも拾ってるのに、何故かジンバーレモンに変身したのだけは解せませんが。
ここは空気を読んで、ジンバーメロンに変身する所でしょうに。
何か肝心な所で外しますよね、この映画。
話題だった黒影・真もロクに活躍しないまま消滅してしまいましたし。
復活後は復活後で、初瀬の黒影と区別が付かない有り様。
おまけにまたも異世界設定のせいか、前年に引き続いて次ライダーとのコラボがありませんでした。
地味に期待していたのですが、何故これを辞めたのやら。
後、TVで散々登場した挙句逃亡したバッタの怪人は一度も登場せず。
バッタの大群の形状で登場し、マルスの馬に化けたりはしていましたが。
何とも勿体無い事です。
それと、始まる前に既に終わっていた戦極も悲惨ですよね。
最強設定なのに、あっさりコウガネに吸収されてしまいました。
(´・ω・`)
こんなグダグダの映画の中に、本編でも重要であろうネタが仕込まれていたのは最早正気か?と聞き返したくなるレベルです。
具体的に言えば、サガラがラピスに「蛇」と呼ばれていた事。
待たせたな!
勿論ダンボールに潜んで隠密行動を行うあの人ではなくて、アダムとイブに知恵の実を喰わせたアレでしょう。
謎だったサガラの正体が、こんな本編と関係ない所であっさりと判明した事にびっくりですな。
で、オバロが散々争って世界を崩壊させたのは、実はコウガネのせいだった事。
ヘルヘイムの森の荒廃した文明は、何と本編にほんのちょっぴり登場したこいつのせいで滅びたのです。
理由は、新世界の神(笑)になる為に、憎しみのエネルギーを必要とした為。
つまり、映画本編と全く同じですな。
と言うか、こんな物騒なモノを作ったのは誰だと言いたい。
ラピスは命懸けで封印しただけで、人口知恵の実製造者に関しては不明のままでした。
ちなみに封印をといたのは、恐らく研究していた戦極だと思われ。
ただし、現実世界の戦極は逃亡中だったので、ラピスの世界の戦極にコウガネが干渉した。
あるいは、ラピスの世界の戦極が本人を忠実に再現した結果、封印解除をやらかしたかでしょう。
製造者は案外レデュエ辺りかも知れませんが、これ本編で明らかになるんですかね。
(´ε`;)ウーン…
何にせよ、最近のライダーの夏映画は春映画に次いで酷いクオリティに堕ちています。
最後の砦である冬映画だけは、こんな悲惨な出来にならない事を切に願うばかり。
そう言えば、今週の鎧武も高校野球オバロのせいでありません。
何と言うか、がっかりが続く日々ですね。
( ´ー`)フゥー...
theme : 特撮・戦隊・ヒーロー
genre : 映画
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