鉄人タイガーセブン回想録。
正直、この作品はそれ程沢山視聴した訳ではありません。
小さい頃に、再放送で数回視た程度だと思います。
しかし、なんか近年この作品がネタにされる所を散見してびっくり。
再度、検証してみると確かに色々ネタまみれの作品だった事に気付きました。
まず、怪人が変なんてモノじゃないです。
ムー帝国の怪人なのに、河童とかツチノコとかが存在しているのですよ。
これだけでもう意味不明です。
半魚原人やへび原人なんてのもいるのに、河童やツチノコがいる意味が良く分かりませんね。
ジオンの水陸両用MSにゴッグやズゴックが存在する様なモノでしょうか。
それだけではなく、無機物の原人まで存在するのですからますます混乱せざるを得ません。
まあ、ショッカーにもマグマ怪人ゴースターみたいなのがいましたが。
しかし、マグマならまだ格好良いのですが石やコールタールってのはどうなのかと。
また、流星原人なんてのもいるのですが、流れて無い時はただの隕石では?
お前の運命は俺が決める!
前述の石原人とやらの上位互換な気がしますが、この場合石原人の立場はどうなっているのでしょうか。
ろくろに至っては、もう完全に理解の範疇を超えています。
しかもこいつ、武器が10日以内で死ぬビールス(ウイルスの間違い?)なんだそうで。
そういや昔はビールスって言ってましたね。ドラえもんでもそうでしたし。
えーと、ろくろにした意味は何処にあるんでしょ?
そう思って画像を探しましたが、一枚も出て来ず完全に謎です。
何と言うか、思い付いたアイデアを片っ端から詰め込んでいった様な印象がありますね。
面白いと思ったら何でもやったと言う感じですか。
(´ε`;)ウーン…
次に妙だと思ったのが、ムー帝国なのに何故かサハラ砂漠に封印されていた事。
場所的な関連性が全く無いのに、何故こんな設定になったのでしょう?
普通に太平洋の海底とかじゃダメだったのでしょうか。
恐らくは、撮影の都合上ではないかと思われます。
でも、それなら適当な島でもムー帝国の一部に設定してしまえば無理がない気が。
DASH島じゃないですが。
何だか良く分からなくなって来ました。
そして、ヒーローの姿もかなり凄いです。
なんせ、顔が虎そのものですので。
実写版タイガーマスクと勘違いした人もいらっしゃる事から、その虎っぷりがお分かりになるかと。
と言うか、制作会社は猫科の猛獣が好きなんでしょうか。
有名な怪傑ライオン丸や、続編の風雲ライオン丸もそうですしねぇ。
後、リメイク(更なる続編?)のライオン丸Gも。
どうもコミカライズの設定を見ると、主人公のペンダントにムー原人の一種であるタイガーマンとやらの魂が宿っているらしいです。
これが正式設定なら、仮面ライダー同様敵と同種の力を以って戦うヒーローと言う事になりますね。
…だとすれば、主人公を蘇生させた人工心臓SPは変身に一切関係ない?
これは、何と言うか意外です。
実はこのポンコツ心臓、何と数ヶ月しか動かないんだそうで。
しかも変身に何ら寄与していないと言う事で、最早デメリットしか存在していません。
だとしたら、なんか非常に勿体無いですね。
普通にペンダントの力と人工心臓SPが合わさって初めて変身を可能にする、で良かったのではないかと。
その副作用が、人工心臓の短命化だったとかなら一気に悲劇性が増し格好良くなるのでは?
ニコニコ動画の大百科では、2つが合わさった結果誕生したと書かれていました。
しかし、その他を調べてみてもそういう記述が無いのでこれは独自判断とした方が妥当そうです。
wikipediaだと「要出展」が速攻で付きそう。
なんだかなぁ。
名前にしても、虎なのに何故か鉄人で良く分かりません。
別にロボ的要素は殆ど無いのですが。
凄い頑丈で強い!と言う意味でネーミングしたのでしょうか。
タイガーセブンの能力にしても、虎である意味が無いモノが殆どです。
折角虎なんだから、爪やキバで攻撃してもいいと思うのですが。
キバには攻撃能力は無く、むしろエネルギー注入で人助けが出来るという逆吸血鬼仕様。
しかもそれで、襲っていると勘違いされるのだからもうね。
爪は無く、キックやブーツに仕込まれた刃、挙句の果てには太陽反射光線に至ってはもう虎関係ありません。
いえ、そりゃ確かにオーズのラトラータコンボに似た様な技がありますよ?
しかし、そのオーズにもトラクローが存在するのです。
一方、タイガーセブンの必殺武器のファイトグローブなるモノにも、主な攻撃方法は爪ではなく手刀。
ノーカラテ・ノータイガーセブン。
これを投げて攻撃する事もあるのですが、迫力のない事この上ないです。
必殺武器なのに、攻撃力上昇がたった二倍と言うのも微妙。
グローブなのにぶん殴らないのは何故かと思いましたが、この攻撃力の微妙さが原因なんでしょうか。
何にせよバイキルトレベルで必殺を名乗るのは、ちょいと無理があるのでは?
せめて4倍位にして、敵をアクセルトライアルの如くフルボッコにして殲滅とかの方がカッコイイと思います。
その分、エネルギー消費が激しいのでここぞという時にしか出せないって事にすれば完璧ではないかと。
何と言うか、チグハグ感が拭えません。
(;´Д`)
そして、脚本自体も何と言うか変にリアルなんですよねぇ。
前述の治療行為の誤解もそうですが、有名なのは変身した後走る無人のバイクに子供が轢かれると言うアレです。
これってもしかして、バイク上で変身した仮面ライダーV3に対するアンチテーゼでしょうか。
と言うか、普通子供が出てくる様な場所でバイク放置変身しますか?
結局、主人公のただの不注意が原因なんでは?
などと考えつつ、実際の映像を見て大びっくり。
事態は私の予想を遥かに超えた、奇妙なモノだったからですが。
大暴れする原人めがけて走る主人公、滝川剛。
何度かバイクでアタックした後、少し距離を取りつつ何故か走るバイクを乗り捨てて大ジャンプ。
そのまま停めて変身しても全く問題無さそうでしたが、兎に角乗り捨て変身です。
ところが、その瞬間何故か子供がバイクの下敷きに!
Σ(゚Д゚;エーッ!
主人公は変身を中断し、慌てて子供を介抱します。
そこへじわじわ迫る原人!主人公大ピンチ!!
なのですが…
何度か主人公は戦場となる道路を行き来してますが、原人以外何も居ませんでした。
だとしたら、子供が突然湧いたとしか思えないのですよ。
実際衝突するシーンも子供が出てくるシーンも無く、ただ下敷きになっているだけです。
せめて子供が居る描写や、何らかの理由で道路に飛び出す描写があればこれほど違和感を感じなかったのではないかと。
面白おかしく再編集されていなければ、そんな感じでした。
おまけに、変身して戦う時の不在を仲間に咎められる悲惨っぷりも有名です。
挙句の果てに、最終回で人工心臓が、後2日で停止と言う衝撃的事実が発覚。
それも、いきなり告げられるとか壮絶過ぎでしょう。
このシーン、子供心にも唖然としたものです。
今でも思い出せる位ですので、衝撃度はお察し下さい。
勿論話に救いは無く、ラスボスを倒した主人公は何処へともなく消えて終了です。
これ、本当に子供向けですか?
そう言いたくなるレベルの凄まじさですが、やはりと言うか何と言うか打ち切りです。
専用バイクのスパーク号も、誰が開発したのか最後まで分からずじまいなのも痛い。
EDで名前が出ますが、スパークだ!と歌ってる所がスーパーアクダーと聞こえたのは私だけ?凄い悪のマシン?
トドメに名前の元にもなっている、7箇所に秘められた超能力を全部披露しないまま。
(´・ω・`)
泣ける位悲しいヒーロー番組ですが、悪い事ばかりでもありません。
まず決めのファイトグローブは、ごっこ遊びが非常にしやすいのがポイント。
私は、親が使っていた台所用の手袋で再現していました。
改造すれば、そのまま使えそうですよね。
その他、後遺症として手袋をはめる際に「ファイトグローブ!」と口走ってしまう癖が残る有様。
そして必殺技の1つであるタイガーヘッドビームも、かなりカッコイイ技でした。
エメリウム光線?知らんな。
太陽反射光線なので、勿論太陽が出ていないと使用出来ません。
キカイダー01と同じですが、あっちは太陽電池なのに充電がイマイチなんですよね。
しかし、太陽をちらりと見るだけで瞬時にチャージ完了なのが使い勝手抜群です。
その上連射も利くと、強力極まりない攻撃方法ではないかと。
エンディングの歌詞であった「奇跡の光線タイガーレイ」ってこれの事でしょうかね。
そして、一番のポイントはOP・ED共に神クラスの名曲な事でしょう。
前々作のライオン丸もそうですが、とても格好良くて力強い歌でした。
ニコニコ動画では、前述のひき逃げアタックのせいで変な替え歌にされてますが。
色々新機軸を打ち出してはみたものの、上手く行かず打ち切りの憂き目に遭った「鉄人タイガーセブン」
これも白獅子仮面同様、改善すれば良作になった気がして非常に惜しい作品でした。
( ´ー`)フゥー...
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